名代 鮎甘露煮 鉄之助鮎

 明治十三年、初代当主・吉本鉄之助が鮎の故郷、琵琶湖に注ぐ安曇川の地より京へ鮎を運んだことから当店の歴史は始まりました。

 鉄之助の鮎は姿麗しく美味なりと京の老舗料亭をはじめ、宮中にも献上の栄誉を賜っておりました。 代を重ね、やがて昭和となると鮎の養殖法が確立。 当店もいち早く鮎養殖を営む池元として稚魚から鮎を育てるようになりました。 清冽な安曇川の伏流水を汲み上げた池で、自然とおなじように ゆったりと泳ぎ育った当店の鮎は天然物のような黒い背にとがった顔とほっそり優美な姿。

 鉄之助の時代と変わらず、その姿と味に自信を持ってお届けしております。

 活鮎のほか、春夏は焼き鮎、秋には乾鮎を商っていた鉄之助が厳寒の冬にも、鮎を美味しく食べていただけないものかと考えたのが鮎の飴煮炊きでした。 これが今日ある鮎の甘露煮のはじまりとなったのです。

 甘露煮は、姿形の麗しい鮎ばかりを揃え、まず素焼きにし余分な脂を落としてからつややかな飴色になるまで、じっくりと、やわらかに炊き上げる。 手間暇を惜しまぬ丁寧な仕事を鉄之助の時代からずっと受け継いで参りました。 季節ごと、大きさごと、鮎を見極め最良の味に。 稚魚から自家で育てた鮎だからこその愛情をそそいで仕上げております。

店主 敬白